2015年09月10日

地域で必要な人材は価値を生み出す人ではなく、「だれにとって価値があるのか」が分かる人

先日、朝日新聞さんが出してるAERAという雑誌に取材をいただきました。内容はソーシャル採用サービスを展開しているWANTEDLYさんと一緒にUIターンの人材募集をしたのですが、それがすっごく上手くいった、という内容です。


 募集した仕事は日南に根付いた体験型観光のプログラムを作る、というもので、WANTEDLYを見たホテルマンで日南出身の谷口和樹くんが応募してくれました。彼はたくさんの体験プログラムを作っているのですが、その中でも秀逸だったのが「カブトムシ取り名人と行く、カブトムシ取りツアー」というプログラム。カブトムシ取り名人と言っても、地元でちょっと虫取りが上手なおじちゃんという具合です。その地元のおじちゃんと一緒に山にカブトムシを取りに行くなんて、そもそもツアーと呼べるものなのかも怪しいのですが(笑)、これが大盛況で、結局キャンセル待ちが出るほどで、日南市外からの参加者が目立ちました。


 なぜ、虫取りが上手な地元のおじちゃんとカブトムシを取りに行く、というツアーが大盛況だったのか。これこそ、谷口くんの卓越したマーケットを読む力が発揮されたツアーでした。例えば戦後間もない頃であれば、男の子であれば山でカブトムシを採れて当たり前、という時代だったと思います。これが高度経済成長期になると彼らは大人になり都市に引っ越していきます。もちろん山でカブトムシを採るという機会は激減します。しかし彼らは幼少期に山でカブトムシを採る、という経験があるので、カブトムシはどんなところにいるのか、(昆虫の餌用のゼリーではなく)自然界では何を食べているのか。どうやったら採れるのかを子どもに説明してあげることができます。里帰りした時などに子どもに教えてあげることもできます。


 しかし、世代が入れ替わって、都会で生まれて都会で育った子どもが親になる時代になりました。いざ自分が親になって、子どもとカブトムシ採りに山に行こうと思っても、自分の経験として山の中でカブトムシを採った経験がほとんどないので、どうやれば採れるかが分かりません。そうなると、地元にいるカブトムシ採り名人と一緒に山に行って、教えてもらいながらカブトムシを採ることで自然の仕組みを学ぶという機会に価値を感じる人が生まれてくるわけです。昔は「カブトムシ」に価値があったので、子どもはこぞって山でカブトムシを捕まえていましたし、ホームセンターでは200円で売っていました。しかし、カブトムシを採る経験を持つ人が少なくなると、今度はカブトムシ単体よりも「山でカブトムシを採ることで自然を学ぶ」という経験に価値が生まれてくるようになります。


 これまで、地方は何もないから何かを作ることに重きが置かれていました。例えば国の補助金なんかを見ていても「商品開発」に関するメニューがずらっと並んでいます。なので、これまで地方は補助金が出る「商品開発」ばかりに注力して、目の前にあるものの価値を見つめてきませんでした。しかし、これから地方に必要なのは「今あるものは誰にとってどんな価値がどれくらいあるのかが分かる」という力(センス)を持った人。谷口くんの手がけた「カブトムシ採り名人と行く、カブトムシ採りツアー」は、都市で生まれ育った親にとって、子どもに自然体験させるという価値が、1日かけて数千円払う、くらいの価値があったわけです。カブトムシに価値があるのではなく、カブトムシを採りに行くことに価値があると見抜いたセンスは素晴らしいと思います。昔のように経済が右肩上がりの時はガンガン補助金使って「カブトムシの館」みたいなレジャー施設を作っても良かったのかもしれません。しかし、社会保障費が毎年1兆円ずつ増え、国債の返済も増え、みたいな財政状況のなかでは現実的ではありません。こういったマーケットが求めている価値に気が付き、その価値を流通させる能力はまさに巨大マーケットを相手に第一線で仕事をしてきた人こそ持っている能力です。ぜひ、このブログを読まれている都市圏でバリバリ仕事をしているあなた!以前のブログで書いたように地方には仕事がたくさんあります。ありすぎて人手が足りません。ぜひ、日南で豊かな生活を送ってみませんか?(笑)

そんな方は日南市役所までお問い合わせください♬
マーケティング推進室 : 0987-31-1169


  

Posted by たじぃ at 13:54Comments(0)