2012年04月03日

日本の労働市場の参入障壁

このまえ、アジア規模で人材斡旋業の会社さんと話をしていたとき、あーなるほどなー、と思うことがいくつかありました。

グローバリゼーションがどんどん進んでいって、世界規模で労働力の流動性が高まれば、報酬は世界基準でみたときに適性な地点で決まるという話。例えば昔は、どんだけITに強くても、インドに生まれたらインドの中での報酬水準に限定されてた。けれど現代であれば、アジアを飛び越えて、シリコンバレーの水準で報酬を得ることが現実的になってきたわけです。インドだったら月5万円の報酬だったのが、シリコンバレーに行った途端、月50万円とか普通にもらえちゃったりします。労働力に対する報酬は国境を超えて世界基準で決まる時代が来るわけです。僕は日本人にとって重要なのはこれまで日本の労働市場の参入障壁になっていた「距離」「文化」「法律」「金融」「言語」が、急速に崩れてきていることだと思っています。

具体的にどういうことか。
まず、「距離」についてですが、世界の市場は戦後アメリカ、西ヨーロッパ、日本の3つがあったわけですが、この中で日本がその他2つの市場と離れていて、飛行機での10時間以上かかり、料金もウン十万円というのが普通でした。しかも時差のせいで昼夜逆転していて、電話でMTGするにも、一苦労だったと思います。しかし最近はLCCなるものが増えてきて、移動時間は変わらないものの、料金は安くなりました。さらにメールの普及でむりに電話MTGする必要もなくなり、Skypeを使えば世界どこでも無料で電話ができます。LCCとネット環境の整備によって、「距離」というに日本の労働市場への参入障壁は低くなってきました。

次に「文化」についてですが、昔は日本独自の風習が色濃く残っており、外国人が日本の生活環境に慣れることは一苦労でした。しかし現代では、大都市であればどこにでもコーラもマクドナルドもGAPもセブン・イレブンもイケアもあるわけで、日本の生活習慣に入らなくても良くなっています。(というか、日本がそういう元々外国の生活習慣を受け入れたわけですが。)つまり、その分、日本で生活する障壁が低くなって来ているわけです。

「法律」についても同じで、労働ビザの発給条件の緩和や、アジアからの労働力の受け入れなどを見ても、法律的に日本で働く事は年々簡単になってきています。

「金融」について言えば、カードでその場で決済ができる時代。昔みたいに、大金を銀行に持ち込んで、高い手数料払って両替する必要も無くなりました。しかも手数料もはるかに安くなりました。給料をドルでもらってようと、ユーロでもらってようと、両替の必要もなくカードで支払いができる時代。為替のリスクはあるものの、ヘッジしようと思えば簡単にできるので、「金融」が日本の労働市場の参入障壁になることはほぼなくなりました。



最後に「言語」ですが、これが日本にとって最大の参入障壁でした。なんたって、みんな英語ができない。道を英語で尋ねてもほとんど誰も答えれない。日本語は韓国人、中国人以外の母国語を持つ外国人からしたら、かなり難しいらしく、ちょっと勉強したくらいでは使えないらしいです。この日本語という言語が複雑難解なために参入障壁になっていわけです。
 しかし!ユニクロとか楽天みたいな、グローバル化に対応するために英語を公用語にしましょう!みたいな取り組みが増えてきたら、最後の砦だった言語の壁もなくなります。そうしたら日本の労働市場は参入し放題!今までそんなに能力が高くなかったけれど、日本に生まれたことで、ある程度の生活ができていた人ってたくさんいたと思うんです。でもこれからはそういう人達は別の国からの労働力に取って代わられる可能性もある。もちろん政府もちゃんと考えると思うのですが、こういう流れはもう止まらないはずなんです。


という訳で、別に今仕事で英語を使わないのにもかかわらず、英語を頑張って勉強している人たちをみてて思うのですが、日本国民が英語を話せるようになって一番困るのは、日本で働いてる多くの日本人だと思うんです。なので英語の勉強はやめて、みんな日本語だけを使いましょう!そうして、外国からの労働力流入の障壁を作りましょう!あはは。

なんてことを上海から福岡に帰る飛行機の中で思いながら、ブログ書いてます。





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この記事へのコメント
日本人が英語ができないのは発音バリエーションの少なさも関係しているようです。だからって小さいときから母国語じゃなくて英語をバンバン教えさせる親とかはどうかと思う今日この頃です。
Posted by 馬 at 2012年04月03日 12:56
なんか今までの論調とちょっと違うなぁと感じました。
グローバル経済派は賛成派じゃなかった?

語学に力を入れるって本末転倒な気がします。日本人らしさも失われるしなぁ。まぁ、仕方なしにやってますが、今いる会社も英語使うことありますね。派遣だから言われないけど、正社員はTOEIC受けないといけないみたいです。
上司の中国人は本当に日本語がうまいから、語学っていう土俵にのっちゃうと日本人はほんと外国人に勝てないと思うんですよね。そういう意味でグローバルというかそういうのはどうかなぁって思います。かといって、力がないので、語学は一応やる…しゃべれませんがwww
Posted by マイハナ at 2012年04月03日 22:59
たじぃさんもご存知のように、私は経済にはほど遠い職ですが、海外に出て、賃金等で感じたこと

いまヨルダンで、友人の仕事を一時的に手伝いながら滞在していますが、(特に日本企業、または日本人相手ではなく)こちらの方と同じ条件で仕事をしているので、賃金はここの平均と同じ

すなわち、自分が日本で専門職をいかして働いた時の時給相当が、ヨルダンでの日給に相当します

旅で知り合った友人が、エジプトで結婚して日本語教師として、いま働いていますが、やはり日本で語学教師として働いた時に比べ、十分の一だそうです

先進国と後進国で、物価の違いは依然としてあります

それはひとつに為替の違いが大きく、世界の中で日本を含め、欧米各国は貨幣価値で、かなり有利な状況にあるのでは、と思いました

たとえば、日本で仕事して一日1万円の収入、
10万円(10日分)を持ってインドに行ったとして、滞在するホテルや移動・食事によりますが、1カ月滞在も不可能ではありません

が、インドの一般の人が10日分の収入で日本でどのくらい、滞在できるか??
宿代・食費・交通費・・・
一日ももたない人が多いんじゃないか?と思う


それが今後、いずれ徐々にその賃金平均値が近くなったら??

どの国でも、どの人種の人でも、同じ内容の仕事をしたら、同じ(近い)賃金が支払われるような状況になったら??

円も、ドルも、ユーロも、半値の価値となり、他国の為替が倍額になり、日本への輸入品は倍額になるんじゃないでしょうか?


日本企業(技術)の良さは、日本人の仕事への性質からくる良さが、質の良さに反映されているように思いますから、ある程度は保たれると思いますが・・・

>英語が浸透するから参入の障壁がなくなって、日本人にとって・・・、

というのは一時的には良いかもしれませんが、語学の壁があると世界展開する企業の中で、世界感覚(≒英語、他国語の理解)で遅れをとり、いずれは企業自体が成長(競争力)の低さで、衰退しそうに想像してしまいます

ただ、英語ができることになるようで、仕事の質において、日本人の良さが失われるようであれば、かえってできないほうが良いかもしれませんが・・・


シロウト考えですが

10-50年とかの長いスパンで見ると、結局、その仕事に対する専門性、特異性、アイデアとかがないと、労働市場に参入されようが、されまいが、誰でもできるような仕事の収入は、日本(先進国)においては物価に比べ、どんどん下がるのでは?

そんなことを、ここ1-2年感じました
Posted by ゆみぷー at 2012年04月05日 03:21
 
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日本の労働市場の参入障壁
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