2012年11月11日

最近の東アジアのいざこざを分かりやすく解説した(つもり)続編

この前のブログで、尖閣諸島の問題を出来るだけ分かりやすく解説する、ということで頑張って記事を書いてみました。記事の中で「貴重な休日をデモに参加して潰すくらいなら、何でもめているのかの背景とかを勉強したほうが面白い」と書きましたが、そんな勉強で休日を潰すくらいならデモにでも参加して運動不足を解消したほうがいい、というご指摘を受けました。確かに、昼間っからPCに向かってブログ更新するより、秋晴れの銀座を行進する方が有意義かもしれません(苦笑)

さて、前回更新してから1ヶ月がたちまして、その後どういう変化があったかを、できるだけ分かりやすく書いてみたいと思います。まぁ、前回からの続きです。

前回の更新の中では、尖閣諸島に何かあったら、「アメリカ米軍は日本を応援する」という旨のコメントをアメリカから出してもらって、事態は収集に向かうと思われたのですが、韓国がとばっちりを受けました。韓国が実効支配している離於島(韓国名。中国名は蘇岩礁)は中国のものだ、といちゃもんをつけられたのです。中国が初めてもった空母を何とか有効活用しなければいけないという焦りからの暴論ですね。

その後、何が起こったか。
まず日本関連ですが、アメリカに「日本を味方する」と言ってもらったからには、日本からも何かを差し出さなければいけません。Twitterでもつぶやきましたが、アメリカ軍のこの発表を見て、「これでオスプレイ問題はすべて解決だな」と思いました。オスプレイの沖縄配備を認める代わりに、アメリカから例の発表を引き出したのでしょう。その後、どうなっったか。過去の反対運動などまるで無かったかのようにオスプレイは配備され、そして先週には日本列島を縦断するような飛行練習訓練案が発表されてました。

次にとばっちりを受けた韓国ですが、僕は在韓米軍を少なくとも維持するという方針を出すことで対応するのかと思ってました。しかし、さすがのアメリカ。そんな経費と手間がかかる方法はとらず、「韓国の弾道ミサイルの射程距離制限を300キロから800キロに延長することを米韓両軍で合意する」だけで、対応しました。日本の報道は「北朝鮮を射程圏にして新体制に対する警戒するため」という論調でしたが、明らかに離於島(韓国名。中国名は蘇岩礁)を射程圏に含め、中国の空母が侵入してきた時の対策です。実際、中国の中枢である北京までは届かない距離で設定しています。このあたりのバランス感覚は本当に凄い。ちなみに西日本も射程圏に入りますが、別に日本を狙っているわけではないことは、ネトウヨ以外は分かっているので、日本では特に大きな問題にはならなかったようです。これが、10月8日のことですので、離於島(韓国名。中国名は蘇岩礁)にいちゃもんをつけられて5日での対応です。素早過ぎて感動しました。


では、日本と韓国の関係はどうなったか。
竹島問題でちょっと冷え込みましたが、だいぶ雪解けムードと思います。
日韓スワップ取引を延長しない、という発表がありましたが、韓国側では「ふん、もはや日本の金融システムなんて頼らなくても自力でやっていけるよ。延長なんてこっちから願い下げだわ。」という報道が主流でした。日本の某メディア経済部の記者の方と話してても、外交の駆け引きと言うより、お互いでメリットが無くなったので解消した、という感じらしいです。そして日本が韓国の非常任理事国に推薦し、当選したことが韓国では大々的に報道され、韓国側では和解ムードが漂ってます。いまは日本国内向けに見せられる「いいやつじゃん、韓国って」的なネタを探してるんでしょう。
外交で揉めると当然経済面にも影響が出ます。日本と韓国は経済的に密接に結びついています。(日韓の貿易収支は日本の黒字なので特に日本にとって)喧嘩してもいいことは無いんですね。日本と中国が喧嘩するとアメリカが得をしますが、韓国と喧嘩したところで、アメリカからは「アメリアのアジア戦略上、あんたたちは仲良くしていなさい!」と怒られるのがオチなので、最近はすぐに仲直りするようです。

そんな状況下で、北京では中国共産党の5年に1度の党大会が始まって習近平さんが国家主席に就任します。アメリカでは中国重視のオバマさんが再選しました。これからはアメリカ、中国の超大国が世界をリードすることになります。アメリカとソ連が喧嘩をしていた懐かしい時代、両国は経済的にも、軍事的にも、イデオロギー的にも対立していました。しかし、中国とアメリカはお互い相容れない部分はあるものの、少なくとも経済的にはWin-Winの関係です。中国は国の構造上経済成長を続けなければいけない宿命にあります。中国のGDPの25%は輸出で稼いでおり、その70%以上がアメリカ・EUです。今後は内需拡大を頑張るにしても、すくなくとも輸出額が(アメリカ・EUくらいの水準である)12%~15%になるまでは、アメリカ、EUとは仲良くせざるを得ません。もし喧嘩して彼らに関税の引き上げなど経済的な制裁をとられると、一気に国(中国共産党)の崩壊の序章に突入する可能性すらあります。中国共産党が一番危惧する事態です。
アメリカとしても従来は日本がアメリカ国債を無条件で購入してくれてましたが、日本も失われた20年(記録絶賛更新中!)から脱却できず余裕がありません。日本の国債の売り先を確保することでいっぱいいっぱいなのです。そこで中国がアメリカの国債を大量購入するようになりました。それは経済では米中が世界を牽引する時代に入ったこと示します。
 イデオロギー的にはお互いあんまり利害関係は強くありません。ソ連はアメリカの掲げる民主主義、資本主義を否定して、共産主義、社会主義を世界に広げようとしてましたが、中国は民主主義ではないにしろ、民主主義を否定しているわけではありません。まして共産主義を世界に広げようともしてません。なので、イデオロギーに関して現時点で米中が一致することはありませんが、対立することもありません。
軍事面では米中は連携することは難しそうです。軍事面ではこれからも対立が続くことになるでしょう。中国は毎年10%以上の規模で軍事費が拡大しています。元々は中華思想の国、世界は中国のものだ、という素晴らしい思想が根源です。そんな中、米中の間にあって、不沈空母とまで崇められてる日本の地政学的環境は日本の安全保障に非常に大きな影響を与えます。アメリカは何のために日本にオスプレイを配備し、P3C哨戒機を配備させているのか。特にP3Cなんて敵の潜水艦を察知するための道具ですからね。アメリカの軍事的仮想敵国である中国が潜水艦から日本を攻撃することなんてあり得ません。だって近いんだもん。大陸の発射基地からで十分です。なのでP3Cを配備している理由はただひとつ。アメリカを守るためです。そのアメリカを守るための道具を日本が購入し、日本に配備し、危険に晒されているのです。こういう体制は戦後(というか朝鮮戦争以降)、大きく変わらないのですが、一応日本人もこういう事は知識として持っておいたほうがいいのかもしれませんね。
最近、日本では中国離れが進んでいると報道されています。一時的には冷え込んだとしても、少なくとも経済的にはつながりは強化されていきます。それは中国が嫌いとか、そういう問題でなく、強化されていくのです。それは経済成長し続けざるを得ない中国のGDPの2%を占める対日輸出の問題です。中国的にも日本が嫌いだからという理由で、大規模な経済制裁はできない規模になって来ました。個別で関税が引き上げられたりしたとしても、大規模で貿易収支が半減する、とかそんなレベルで冷え込むことはありません。この前、10月の日中の貿易統計が出てましたが、前年同月比10%のダウンだけでした。これだけ揉めた翌月単月のデータですら10%しか影響が無いのですから、これからも両国の経済連携は強まっていくと確信しました。

そんな事を考えながら今日も貴重な休日を無駄にしてしまってます。あー、運動不足解消のためにデモにでもいってこようかしら(笑)

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Posted by たじぃ at 16:02

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最近の東アジアのいざこざを分かりやすく解説した(つもり)続編