2014年12月29日

ところで地方創生って何?と聞かれるので書いてみた。

衆議院選挙も終わり地方創生の話題が増えてきました。

地方創生の本丸である「まち・ひと・しごと創生本部」って結局は何なの??と聞かれるのですが、要は東京に集まりすぎた人口を地方に戻すための施策のことで、それにまつわる施策がいまボロボロと発表されてるわけです。本社を地方に移転させたら法人税を安くしますよー、とか地方で就職したら奨学金の返済は減免しますよー、とかすべて地方の人口を増やすための施策です。

じゃあ、なぜ東京に人が集まりすぎるとよくないのか?一箇所に集まったほうが都市機能とか経済活動とか効率的じゃん、と思われるのですが、その点に関してはまさにそのとおりです。一人あたりに必要な社会インフラの整備にかかるコストは明らかに東京の方が安いし、みんなが集積している方が情報や交通が効率的なので経済活動にとっては好都合です。なんだけれども、東京のような大都市が抱える大問題があるわけです。それがズバリ、出生率が低いという問題。東京のような大都市に人口が集中している方がもろもろ効率的なのですが、子どもが生まれない。東京の出生率が1.08なんですが、これってすごい数字で、東京に8人がいたとしても、彼等のひ孫世代には1人になってるわけです。ものすごい勢いで減っていく。僕も東京で働いていたことがありますが、同僚が子育てしながら働いているのを見て、「スーパーマン、スーパウーマンじゃないと、こんな環境で育児は到底できないな」と悟りました。東京の出生率が低いのは今に始まったことではなく昔も低かったのですが、昔は田舎では4人5人兄弟があたりまえという時代だったので、多くの若者が東京に流入していました。それにより、東京の人口は増えていたわけです。昔は東京の出生率が低くても地方からの流入が集中したらから良かったというだけの話で、東京でたくさん人が生まれたから人口が増えていたわけではないんですよね、あたりまえですが。


しかし、時代も変わり、田舎でも出生率が人口を維持するために必要な出生率である2.08を割ってきた。それにより、田舎から東京に無尽蔵に人を供給する仕組みが崩壊してきているんですね。昔は地方で人が生まれて、東京に流入して日本国の経済発展を支える、というモデルが成立していたんですが、今は人口を供給していた田舎でもそんなに子どもが生まれなくなってきた。このままでは東京への流入も減少し、流入した人たちは子どもを産まない。このままでは日本自体の存続すら危ぶまれる、ということを政府がいよいよ問題視し始めたわけです。


そこで、沸き上がってきたのが今回の地方創生論議なわけです。もちろん衆院選前だったので読みやすい地方の票を確保するという目的もあったでしょうが、根本的には今の日本の人口動態を考えたとき、このままの方向で行ったら日本という国が立ちゆかなくなる、というデータの元にスタートしています。


そしてもう一つが財政問題。よく報道されていますが国の財政状況は真っ赤っ赤です。大赤字。歳出を削減しようとしても、30兆円かかってしかも毎年1兆円ずつ増えていく社会保障費はなかなか手をつけられません。社会保障費とは年金、医療費、介護などに使われるものです。これらを受け取る多くは毎回ちゃんと投票しにくる年配者であり、いわば「大口取引先」なので、国としてもバッサリとメスを入れることができません。そんなことしたら大事な「取引先」を失いかねません。もちろん憲法の問題や医師会の問題とかもありますが。

そこで、今回メスを入れようとしているのが毎年16兆円ほどかかっている「地方交付税」なわけです。地方交付税は国が各自治体に配る「使用用途が自由な」お金です。これまでは「均衡ある国土の発展」の理念の元に産業が弱く財源の乏しい自治体を助けるために支出してきました。これを財政力調整機能と呼びます。これは一見公平な制度のようですが、逆に言うと頑張らなくてもその分の埋め合わせ交付金が国から降りてくるので、頑張る意欲がわきにくいというのも事実でした。そして今回これまでほとんど手付かずだったこの地方交付税に手を入れだしたわけです。

 十数年前くらいから、平成の大合併が行われてきました。これは全国の地方自治体の数を減らして、出来る限り効率化していこうという施策でした。全国で合併が進んだのはアメとムチをうまく使ったからで、合併したら自由に使えるお金をたくさんあげますけど、合併しなかったら自由に使えるお金を減らしますよ、という政策でした。合併すると10年は合併特例債というちょっと多めに交付金をあげますよと。そして今、全国でこの合併特例債が終わる自治体が出てきたこのタイミングで続編が始まったわけです。

 今回の地方創生の「まち・ひと・しごと創生本部」とはすごく端的に誤解を恐れず言うと「これからは自治体ごとに競争していただきます」という政策です。やる気のある自治体には国も支援をしますが、そうではない自治体には支援しませんという内容なわけです。これって、行政の感覚ではものすごい変革で、実際にこの話が発表された時、いくつかの市長からは「何を言ってるんだ、国は各自治体を公平に見るべきではないのか!各自治体の格差を国は容認するのか!」という意見も出たと聞いています。財政力が弱くてもぼちぼち交付金をもらいながらやってきたぬるま湯に浸かってた自治体にとっては、今回の動きは恐怖だと思います。しかし、これから国の財政を考えた時に全国一律に面倒を見ることはできません、頑張る自治体とそうでない自治体は区別しますからね、という事実上の宣言なわけです。

さらに、今回の施策がこれまでと違うなーと興味深いのが、各自治体に地域版総合戦略プランを作るように国からお達しが出ていることです。地域版総合戦略プランとは、東京から地方に人が動くために地域で雇用を生み出していく計画書のことで、それぞれの地域に根づいた産業育成、雇用創出のプランを作成しなければなりません。実はこれまでも各自治体は自分たちの総合計画を作っていました。「これから我が市はこんな街にしていきます!」とかを謳った計画書ですが、この総合計画はどっかの有名なコンサル企業に外注しています。コンサル企業もいくつもの自治体の総合計画を作っていて内容もそんなに細かくチェックされないので、内容はどこの自治体でも使いまわせるような内容になっていて、結果として、どこの自治体も絶対に反対意見が出ない「住みやすい街にします」という結論に落ちついてるわけです。(そして綺麗に製本された計画書は本棚にしまわれて、その後ほとんど使われることはありません。)

 しかし、今回は各自治体の産業の特色を活かした雇用が生まれる計画を作る、という条件がついています。しかも年明け早々にある程度まとめないければいけない。しかももう年末です。となると、コンサルに外注して半年かけて作ってる時間の余裕が無い。すでに地域の産業構造や各企業の状況を把握している各自治体の職員なり、企業なりが協力して作成しなければいけないわけです。それができる自治体は見込みがある、できない自治体はダメだよねー、危機感が無いよねーという判断を国はするんでしょう。


ダラダラと書いてきましたが、今回の地方創生の大きなポイントが日本の人口政策と、財政政策の二本柱からなっています。2060年台に人口1億人前後を維持、という(ちょっと曖昧ですが)具体的な数字も出てきました。1億人を維持ということは最低でも2,700万人は人口減少することを前提としたわけですが、これって、東京都と神奈川県と千葉県が無くなるくらいの人口が減るわけです。もしくは九州と北海道と東北が全部なくなるくらいの人口なんです。ものすごいインパクトじゃないですか? でもそういう時代がやってくる。もちろん単に人口を見るだけではなくて、生産年齢人口のバランスとかも大事で、そのためには出生率が高い地方に若者に住んでもらって子どもを産んで欲しいという想いも理解できる。(言わずもがなですが国が国民に子どもを産むことを強いるのではなく、子どもが欲しいと望む人の支援をする体制が大事です。)そのためには全国一律の政策を国が作って、各自治体が実施していくというトップダウン的な従来の手法ではなくて、各自治体でしっかりした地域版戦略プラン(=雇用創出プラン)を作り、それを国が応援するというボトムアップ的な手法が取り入れられました。その意味では過去の各自治体に1億円をばらまいたふるさと創生事業に比べると的を射た政策だと思っています。


冨田和彦さんが言うように、世界の経済活動、競争相手はグローバル型とローカル型に分かれて来ています。東京や大阪は世界の都市間競争に、福岡はアジアとの都市間競争に突入しています。その一方で国内でも地域間競争の時代が始まります。おそらくこれまで以上に自治体ごとの格差も生まれるでしょう。そんな環境の中で日南に継承されてきた文化がしっかりと次世代に繋がり、そして日南に縁のある多くの人の故郷が守れるように。そのために、これからも日南に住んでもらえる街にしていかなければいけません。そんな重責を感じながら来年も責務を果たせるように頑張って行きたいと思っています。



この記事へのコメント
北京情報となんの関係あるんかいのー!!!
Posted by 忠告魔 at 2015年01月09日 13:56
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Posted by Joshuatig at 2017年11月26日 18:59
 
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