2011年11月26日

消費行動の成熟

来週から1週間ほど上海に滞在しておりますー。上海にいるお暇な方。かまって下さいましー。

さてさて、中国で生活していて面白いなぁ、と思うことの一つに「消費行動基準の変化」が挙げられる。ちょっと見栄をはって小難しく書いてみたけど、つまるところ「何を基準に物を買うのか」ということ。

僕が上海に留学していた5年前は、とにかく単純だった。一般人にとっては安いものが売れていたし、富裕層は日本製、ドイツ製、高級ブランド品が売れていた。よく分かんないけどメイドインジャパンだから、シャネルだから、とかいう理由で売れていた。
だからこそ、安いものはすぐに壊れるし、産地偽装、偽ブランドが盛んだったわけだ。要は何かを買うときの基準が単純だったわけだ。

だけど、最近、スーパーとかをふらふら放浪していたら、「環境にやさしいです」とか、「アフターサービスがいいです」とかが書かれた商品が増えてきているように感じる。つまりは、価格、ブランド以外の要素が買い物をする時に考慮されるようになってきたわけである。これは素晴らしいことだと思うし、一つのパラダイムだと思う。巷では生産拠点としての中国は終わり、これからは市場としての中国だ、などと言われているが、それを実感している。

収入が増えてきて、ある程度、物を買うことに困らなくなったら、価格以外のことを考えるようになる。僕は日本と中国以外の国は住んだことが無いけれども、最近の日本人は様々なことを考慮して物を買う事ができる国民なんじゃないかなー、と思っている。価格以外に例えば、産地だとか、環境面(エコ)だとか、企業の社会貢献活動、ブランド、自己表現などを考慮して購入している。これって僕は素晴らしいことだと思う。少し大げさかもしれないが、この消費における選択基準の多様性こそが「豊かさ」なんじゃないかと思っている。「豊かさ」って僕は「自己と他者(社会)とのつながりから生まれる貢献している感」だと思っているんだけれども、「消費時における評価基準の多様性」はまさしく「他社(社会)とのつながり」を意識するのである。「安いから買う」だけであれば、それは自己と商品とのつながりしか意識しない。しかし、そこに環境(エコ)であったり、企業の社会貢献性が持ち込まれると、自己と商品との関係以外に、商品と環境。商品と企業というつながりを意識するようになる。この意識する「つながり(評価基準)」が増えれば増えるほど価格以外の要素を検討して消費するわけである。
僕はこの消費するときの「評価基準」が多ければ多いほど「成熟した消費市場」と呼んでおり、「評価基準」が少なければ少ないほど「未熟な消費市場」と呼んでいる。今の中国で起っているように消費する歳、価格、ブランド以外の要素を検討するようになってきたことはまさしく「消費活動が成熟に向かっている」ということなんだと思う。


最近、日本はTPPの参加をめぐり結構もめているらしいんだけど、僕は参加しちゃえばいいと思っている。色々と理由はあるんだけれど、一番の理由は「日本は成熟した消費市場」であるからである。TPPの概念は同じ商品であれば安いほうが売れるという経済学の基礎中の基礎から始まっている。ただ、この基礎中の基礎は「未熟な消費市場」になればなるほど当てはまり、「成熟した消費市場」であればあるほど、当てはまらない。日本は成熟した消費市場であるが故に、単に外国から安い商品が入ってきたからといって、皆がその安い商品を買うかというと多分違う。(もちろん買う人もいるが。)日本製のほうが安心だから、という理由で消費する人もいるし、私の価値観と合うからとか、その会社の社会貢献活動に賛同しているから、といった理由で消費する人もいる。少々高くてもフェアトレードの商品を買う人も、商品の裏にあるストーリーに共感して買う人もいる。つまり、日本が成熟した市場であるが故に「安ければ売れる」という単純な戦略では成功しない、価格以外の要素も提供する必要があるのである。そうなると日本の企業や、日本の農家は有利である。TPPに参加したらめちゃくちゃ安い農産物が市場に入ってくるだろう。でもそれでも日本産を買い続ける人は多いと思う。「安心、安全だから」という理由を上げる人もいれば「日本の農業を守りたい」という人もいる。その一方で日本以外はまだまだ「未熟な消費市場」が多い。代表的なのはアメリカである。主産業だった自動車業が日本車の参入により大打撃を受けたのにもかかわらず、消費者はそれでも日本車を買い続けた。同価格であれば品質がよい方を選ぶという経済学の基礎で成り立っていた。ちなみに日本以上に成熟市場だと思うのは韓国である。アジア通貨危機の時は海外旅行を自粛したり、自国の商品を優先して購入し、ウォンの流出を国民が一丸となって食い止めた。国民感情もあるのだろうが、高品質の日本製品も苦戦している。韓国が積極的に関税撤廃を進めているのは、自国経済規模が小さい事もあるだろうが、こうした成熟消費社会に入っているため、外国の単に安いだけの商品では韓国では売れないことを知った上での戦略なんだろう。そしてのその戦略は見事なまでに成功した。

価格では厳しいかもしれないが日本ブランド、日本クオリティというだけで購入してくれる市場がまだまだあるのである。昔はただでさえ高い日本製品が関税のせいで更に高くなっていたので、品質がいいのは知っていても買えなかった人がたくさんいた。しかし、TPPに参加することで、買える人が増えるのである。一方、日本の成熟市場では価格以外にも様々な魅力付けが必要になってくる。外国企業が行うには、実に骨が折れるめんどくさいこと。そう考えると日本にとってTPPは積極的に参画していけばいいと思う。中国、アメリカのような未熟な大消費市場は、そこは日本にとって格好の漁場である。たぶん日本製品は売れる。(サムスン、LGとの勝負になるが。)品質のよい商品が安く買えるようになるので、間違いなく市場は広がる。日本は価格、品質以外の評価基準があるので、参入障壁は高い。これは日本の産業にとっては望ましいこと。法律面で参入障壁が高いのであれば、外交圧力の対象になるが、文化、風土が参入障壁を作っているのであれば、日本政府は「仕方ない」と言い訳ができる。これって素晴らしいことだよなー。
そんなことを考えながら、北京ビールを飲みながら北京の夜景を鑑賞しています。

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Posted by たじぃ at 22:12Comments(0)

2011年11月13日

定期的なインプットがチャンスを引き寄せる

最近、少女時代のGeeを聞きながら仕事をしているたじぃです。
ジージージージー! イエィ!イエィ!イエィ!イエィ!


最近の北京といえばだいぶ気温も下がって来ており、朝晩は0度ほどになってます。でも北京の建物って暖房設備がしっかりしているので、室内にいると暖かいので、もっぱら出不精街道を突き進みそうな勢いです。

さて、最近仕事も少し落ち着いたので、本を読んでることが多いのですが、定期的なインプットって大事だなぁと、そんなことを実感する出来事が最近多いです。日々の仕事に追われていると、どうしても読書量が減ってきたり、中長期的な視点でものを考えたりすることが少なくなってくるわけですが、そういうインプット不全が続いていると、ここぞ!という大事な場面を乗りきれなかったりするわけです。定期的なインプット、勉強を続けることが、ピンチを切り抜けるヒントになったり、チャンスを確実につかむ糸口だったりするわけです。

例えば、自分の専門分野以外の出来事にも読書などで触れていると、話題が相手の専門分野のことであってもある程度盛り上がれるし、ベースの知識があれば、的を外した質問をすることがなくなるし、何より相手と楽しい時間を過ごすことができる。先日金融関係の人とご飯を食べていたんですが、金本位制やら、ドルペッグ制やら、プラザ合意やら今の中国の金融制度やらの話で盛り上がることができた。そんな話をネット広告業界の人間が、しかも20代の若造としたのは初めてだとご満悦の様子でした。

基本的に、自分の仕事とか、業界の事を話すのって楽しいんですよね。でもそれを同業界内でやってたらそれは仕事だし、その知識、思考レベルからお互い品定めするので、ある程度の緊張感もある。ただ、異業界の人間が自分の業界の話を興味をもって聞いてくれると、自分の方が知識があることを互いに共有した上で会話ができるので、安心して色々話せる。

今後、自分としても分からないことがあればアドバイスを求められる。それは立派なブレーンなわけです。
日々の仕事に追われて目の前の事を処理することだけで一日が終わり、インプットができない日が続くと、このようなチャンスを逃していくわけですよね。そんなことを考えながら時間を作っては定期的にインプットをするように心がけています。

そんなわけで、いま読んでる本はこんなのです。

リクルートのGM(課長)クラスの社員が課題図書!?として読んでいた本。半分ほど読みましたが、「あー、そういうことだったのね。リクルートが今直面している問題(フェーズ)って。」と納得しました。

こういう知識って、特に社会の動きに敏感になっておく必要がある広告に携わる人にとっては必須だなー、と思いました。



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Posted by たじぃ at 00:10Comments(0)