2011年06月30日
海外に住むと外交問題の理解が進む件について
外国に住むメリットの一つに日本を外からの視点で見れるようになることがある。日本に住んでたときは、「この国終わってるなー」とか思ってたこともあったけれど、外に出てみると外国もそれなりに終わっていることが分かったり、日本にいるときは気がつかなかった良さを発見できたり、またさら逆に日本にいるときに「日本のココは世界に誇れるよね」とか思ってたことが別に大したことでも無かったりして、日々とても刺激的。
最近、中国の領海問題がよく報道されている。去年の尖閣諸島とか、最近の南沙諸島とかの問題。あれも日本の中から中国を見てると、サイテーな国に見えるんだろなぁ、と思いつつも、しかし中国の事情を考えるとそうせざるを得ない事情も分からないでもない。
中国が空母を作っている!大変だ!と騒いでいるけれど、空母は作っても航路が確保出来てないと意味が無い。大連の基地に空母を置いて飛行機の離発着をやっても仕方ないわけで、それなら沈まない陸上の基地の方がいい。
今、中国が空母を作っているのは国威向上の意味もあるけど、それを外交カードにしたいから、馬鹿みたいに維持費がかかる空母を建造している。別に本気でどこかと戦争しようと思ってるわけではない。(と信じている。)
外交カードとして使うためには、その空母がしっかりと運用出来るところを見せておかなければならない。つまり、今大連にある空母が出稿して太平洋とかインド洋に出るための航路を確立することが必須で、それができなければ、外交カードには使えない。
中国の航路事情は本当にかわいそうなほど不便。黄海をはじめ、中国のほとんどの沿岸部から太平洋を目指すと沖縄があって、そこには最強のアメリカ軍が駐留している。世界地図を上下反対にして中国を見ると実感するんだけど、沖縄って中国に取って最悪の場所にある。そこにアメリカ軍が駐留しているのだから、目の上のタンコブそのものだと思う。中国としてはなんとかこの日本列島+琉球諸島の壁を突破したいと考えている。
空母の完成が迫った昨年、尖閣諸島でいちゃもんつけたのは、アメリカの動きを見るためで、「アメリカさんは日本を守るという立場を表明しますか?つまりもし、この領域を空母が通ろうとしたら本気になりますか?」というちょっと過激な質問であったわけで、別に日本について別にどーも思ってなかったと思う。結局アメリカが「はい、日本を守りますよ。つまり空母がこの領域を通ろうとしたら、本気になりますよ。」という回答をされたもんだから、さすがのノリノリ中国も少し冷静になって、「アメリカさん、そうですか。分かりました。他を当たります。」となって、今は南の海から空母を外に出す準備をしているんでしょうね。ちなみに、尖閣諸島の時の狙いはアメリカの反応を見ることだったので、日本から悪い印象を持たれちゃうのもそれはそれでめんどくさい。今や中国も日本からの輸出が無いと生きていけないし、日本への輸出が止まると経済が死ぬ。なので、この前、温家宝さんが福島に行って野菜を食べてたのもそのフォローのためのパフォーマンスですよね。しかもその後JTBに中国人向け海外旅行の免許を出したり、日本の農産物の輸入規制を緩和したりと、次の手、其の次の手を用意して、頑張って日本に悪く思われないように気を使ってたんだと思う。ほんと政治家も大変。
「次を当たります。」と言われて、当たられているのが今のベトナム。ベトナム政府としてはたまったもんじゃない。そもそもベトナム人は中国を嫌っている人が多いので、中国に屈した、とか思われると政権転覆の危機である。ベトナムの横を空母が通られようと、実は大した事はないんだけど、世論的に譲れないわけ。政権を維持するためにも是が非でも譲れないので実弾演習までして、必至の抵抗をしている。ベトナムの譲れない事情と、日米の中国に外交カードを渡したくない事情が一致したので、日米両国はベトナムを指示する声明を出したわけ。ベトナムの南にあるタイは結構海軍は力をいれていて、実は空母を既に持っている。仮にベトナムを突破しても強いタイがいる。そして東には米軍のグアム基地がある。
中国にしたら本当に面白くないと思う。もうすぐ空母が完成するのに、それを運用するための航路が確保出来ていないんだから、結構焦ってると思う。しばらくしたら「空母作ったのはいいけど、意味なくね?」と気づいちゃうから、空母の航路確保は重要課題なわけです。建造費もさることながら、膨大な維持費がかかるのに、外交カードに使えないんだったら、ホント作った意味が無い。
そんな中国の焦りを勘案して外交問題を見てみるととても面白い。感情だけで、好き嫌いと言って終わるのも否定しないけど、裏にどういう事情があるのかを知って外交のやりとりを見るととても面白いゲームだと思う。
そんな事を思いながら北京の夜をビールとともに満喫してます。
最近、中国の領海問題がよく報道されている。去年の尖閣諸島とか、最近の南沙諸島とかの問題。あれも日本の中から中国を見てると、サイテーな国に見えるんだろなぁ、と思いつつも、しかし中国の事情を考えるとそうせざるを得ない事情も分からないでもない。
中国が空母を作っている!大変だ!と騒いでいるけれど、空母は作っても航路が確保出来てないと意味が無い。大連の基地に空母を置いて飛行機の離発着をやっても仕方ないわけで、それなら沈まない陸上の基地の方がいい。
今、中国が空母を作っているのは国威向上の意味もあるけど、それを外交カードにしたいから、馬鹿みたいに維持費がかかる空母を建造している。別に本気でどこかと戦争しようと思ってるわけではない。(と信じている。)
外交カードとして使うためには、その空母がしっかりと運用出来るところを見せておかなければならない。つまり、今大連にある空母が出稿して太平洋とかインド洋に出るための航路を確立することが必須で、それができなければ、外交カードには使えない。
中国の航路事情は本当にかわいそうなほど不便。黄海をはじめ、中国のほとんどの沿岸部から太平洋を目指すと沖縄があって、そこには最強のアメリカ軍が駐留している。世界地図を上下反対にして中国を見ると実感するんだけど、沖縄って中国に取って最悪の場所にある。そこにアメリカ軍が駐留しているのだから、目の上のタンコブそのものだと思う。中国としてはなんとかこの日本列島+琉球諸島の壁を突破したいと考えている。
空母の完成が迫った昨年、尖閣諸島でいちゃもんつけたのは、アメリカの動きを見るためで、「アメリカさんは日本を守るという立場を表明しますか?つまりもし、この領域を空母が通ろうとしたら本気になりますか?」というちょっと過激な質問であったわけで、別に日本について別にどーも思ってなかったと思う。結局アメリカが「はい、日本を守りますよ。つまり空母がこの領域を通ろうとしたら、本気になりますよ。」という回答をされたもんだから、さすがのノリノリ中国も少し冷静になって、「アメリカさん、そうですか。分かりました。他を当たります。」となって、今は南の海から空母を外に出す準備をしているんでしょうね。ちなみに、尖閣諸島の時の狙いはアメリカの反応を見ることだったので、日本から悪い印象を持たれちゃうのもそれはそれでめんどくさい。今や中国も日本からの輸出が無いと生きていけないし、日本への輸出が止まると経済が死ぬ。なので、この前、温家宝さんが福島に行って野菜を食べてたのもそのフォローのためのパフォーマンスですよね。しかもその後JTBに中国人向け海外旅行の免許を出したり、日本の農産物の輸入規制を緩和したりと、次の手、其の次の手を用意して、頑張って日本に悪く思われないように気を使ってたんだと思う。ほんと政治家も大変。
「次を当たります。」と言われて、当たられているのが今のベトナム。ベトナム政府としてはたまったもんじゃない。そもそもベトナム人は中国を嫌っている人が多いので、中国に屈した、とか思われると政権転覆の危機である。ベトナムの横を空母が通られようと、実は大した事はないんだけど、世論的に譲れないわけ。政権を維持するためにも是が非でも譲れないので実弾演習までして、必至の抵抗をしている。ベトナムの譲れない事情と、日米の中国に外交カードを渡したくない事情が一致したので、日米両国はベトナムを指示する声明を出したわけ。ベトナムの南にあるタイは結構海軍は力をいれていて、実は空母を既に持っている。仮にベトナムを突破しても強いタイがいる。そして東には米軍のグアム基地がある。
中国にしたら本当に面白くないと思う。もうすぐ空母が完成するのに、それを運用するための航路が確保出来ていないんだから、結構焦ってると思う。しばらくしたら「空母作ったのはいいけど、意味なくね?」と気づいちゃうから、空母の航路確保は重要課題なわけです。建造費もさることながら、膨大な維持費がかかるのに、外交カードに使えないんだったら、ホント作った意味が無い。
そんな中国の焦りを勘案して外交問題を見てみるととても面白い。感情だけで、好き嫌いと言って終わるのも否定しないけど、裏にどういう事情があるのかを知って外交のやりとりを見るととても面白いゲームだと思う。
そんな事を思いながら北京の夜をビールとともに満喫してます。
Posted by たじぃ at 22:27│Comments(0)