2012年10月06日

最近の東アジアのいざこざを分かりやすく解説した(つもり)。

最近、僕のFBの投稿が面白くない、と評判でございます。わざわざご指摘いただけることに感謝しながらも、何が面白く無いのか聞いてみると「話が堅い」とのこと。とくに外交がうんちゃらとか、よく分かんないという事らしい。そんな事ばっかり呟いてるからモテないんだとか、「それ関係なくね?」と思われるようなことも言われちゃいます。まぁ、でも外交が分からない、という人が多いのであれば、せっかくのソーシャルメディアの時代なので、僕の視点で最近の東アジアの外交を出来るだけわかりやすく解説してみたい。あくまで素人が見聞きした情報を元にストーリーを組み立ててるだけなので、この意見が絶対、とかいうことはもちろんございません。色んな意見があってこその社会であり、その多様性こそが社会の発展に寄与すると本気で信じているので、あくまで一つの意見として捉えていただければ幸いです。
そして、ゴールは尖閣・竹島はどっちの国のものだ、とかそういう結論を出すことではありません。日本の主張を真に受ければ、「おー竹島は日本のものだ。」と思うし、韓国の主張を聞き入れれば、「なるほど、韓国のものっぽい」となります。中国の主張を聞けばもちろん「尖閣は中国のものかもねー」と思ってしまう。つまり、こんなところで争っても所詮、水掛け論にしかならなくて、まったくもって無駄な作業だし、ヘタしたら変な観念にかられて、貴重な休日を潰して街頭で演説しちゃいだすかも知れない。そんな事は歴史学者とか、法律学者にお任せしておいて、僕がこれから話したいのは、各国にどのような思惑があって今みたいな行動を起こしているか、ということ。それが分かれば、これからも起こるであろう色んな問題が理解できると思うので、できるだけわかりやすく解説したいと思います。

みなさんがご存知の通り、最近尖閣とか竹島とか色々もめてます。これって偶然時期が重なった感があるんだけど全部が紐ついてるんです。もっと言うと、中国が空母をもったことも最近のオスプレイの問題もすべてが紐付いている。すべてが必然の上に成り立っているんです。

事の発端は都知事の石原さんが尖閣を東京都が購入すると言い出したこと。この発言に焦ったのが韓国の大統領のイ・ミョンバクさんと日本政府。イ・ミョンバクさんは今年の12月に退任を控えていて(韓国には大統領の再選はないので、絶対に退任します)、経済面ではサムスン、LGの大躍進とかがあって、とても評価されていたりします。さすがヒュンダイの会長!って感じですね。ただ、外交、こと日本においては何も存在感を示せずに彼は政界を引退することになりそうでした。そこで石原さんの尖閣購入発言に焦ったイ・ミョンバクさんは竹島に上陸しました。なぜ日中での問題である尖閣問題にイ・ミョンバクさんが焦ったかというと、東京都が尖閣を購入したら、今度は竹島にも矛先が向けられる、と思ったからでしょう。竹島問題に日本が強気の対応で来られたら、当時のイ・ミョンバクが竹島問題で何もしなかったから日本をつけあがらせたのだ!っていう世論が韓国内で湧き上がる可能性があります。韓国の歴代大統領は何かと無残な最期を遂げているので、イ・ミョンバクさんはそうはなりたくなかったのでしょう。そういう思惑からイ・ミョンバクさんは竹島に上陸する、という行動に出ました。

そして、もう一人焦ったのが、日本政府。日本政府としてはいち自治体である東京都(ってか石原さん)に尖閣を購入されてしまえば、完全に国としてのメンツを潰されるわけです。特に国とは仲が悪い石原さんに尖閣を買われることはなんとしても阻止しなければいけませんでした。そこで日本政府は頑張って(購入価格を釣り上げられてでも)尖閣を国有化したわけです。ここまでで分かるのは、尖閣購入の国有化は外交観点ではなく、完全に国内での観点でしか動いていませんでした。

そこで、中国が動きます。いち自治体が購入するのはまだしも、国が購入するのであれば、もう完全に外交問題だ!っということで日本のニュースで報道されたように、反日デモの嵐が吹き荒れます。そこで初めて日本政府は「あ、そういえば尖閣って中国と揉めてたよね、やべっ忘れててた。。。」となったわけです。ただ、中国側も外交問題と言うより、国内問題としての対応がメインでした。中国の国家主席は今年、胡錦濤さんから習近平さんに代わります。それに合わせて、中国の政界のなかでも派閥がどうしたら習近平さんに気に入られるだろう、と試行錯誤していました。そこで、良い材料だったのが今回の日本の尖閣諸島の国有化。これに我々の派閥は全力をもって反対しました!と言うために中国各地で起こる反日デモを黙認としながらも、裏では参加者には給料渡して参加者を募るなど支援を続けてきたわけです。あと漁船1,000籍が尖閣に向かったやつも同じ理屈です。結局、お金だけもらって尖閣まで行かなかった漁船がほとんどでしたが(笑)一連の目的は「日本に反対」する、と言うよりも、自分たちの派閥もちゃんと日本に反対しましたよ!って習近平さんに見せるためだったのです。
どうでしょう、ここまでの流れは理解していただけましたでしょうか?つまり、石原さんの一言からすべてがつながるわけです。

さすがの中国もこのままではまずい、反日デモで日中の関係が悪くなると、経済的に損失が大きくなるし、世界に対して暴動とか報道されたらマジ恥ずかしい、民度が低いと思われる、ということで、9月19日に「反日デモは禁止します!」という通達を出しました。9月18日は満州事変につながる柳条湖事件の日でこの前に「反日デモ禁止」とは言えなかったんでしょう。なので19日の発表は専門家も想定していた通りでした。

ここで、すべては収束に向かう、と思われたのですが、日本政府の動きが素晴らしい。アメリカ海軍にお願いして「尖閣で何かあったら日本の見方をします」という発言をしてもらう代わりに、裏でオスプレイの普天間配備を約束しました。ちなみにこのアメリカ海軍の発言は中国では大きく報道されてましたが、日本ではほとんど報道されてませんでした。まぁ、日本のメディアの透明度は世界50位前後なので、想定の範囲内でしたが。

で、大活躍だったのが、次に動いた台湾。最近、台湾の漁船と海上保安庁の間に一悶着がありましたが、実は尖閣諸島は日中台で争っている島なんですが、台湾としては「尖閣を日本から奪う」、というより「尖閣を中国に取られたくない」というのが本音なんでしょう。ただ台湾の人から「うちの馬英九総統はなにしてるんだ!日中が争ってるのに台湾は何もしないのか!」という批判が浴びせられるようになってきたのです。元々、馬英九さんは尖閣を含めた領土問題には強気で臨む人でしたし、中国に対しても強硬姿勢でもないので、尖閣問題に台湾もいるんだよー、と存在感をアピールして、その後は日本と中国で条件のいい方と仲間になろう、という思惑だったのでしょう。

そんな台湾の思惑を汲み取った日本は昨日、台湾と凍結していた漁業協定(尖閣周辺の操業協定)を再開しましょう、という旨の文書を発表しました。この文書はとても秀逸で日本国民が納得してしまうような素晴らしい表現でした。(全文はこちら http://www.koryu.or.jp/taipei/ez3_contents.nsf/Top/8595D637B3D1966C49257A8E000E39D9?OpenDocument )本来、日本の漁場としていた尖閣周辺に台湾もどうぞ、という内容なので国内の反発が起こってもおかしくない内容なのですが、この表現では問題にならないでしょう。結局、台湾は日本側につくことになりそうです。

ここまでされたら中国のメンツは丸潰れ。中国VS日米台の構図が鮮明になったので、対日米台にはしばらく大きな動きはないと思います。

そもそも、なぜ中国がそこまで尖閣にこだわるのか、と簡単に説明しておきます。ちなみに中国は日本の他にも20くらいの領土問題を抱えています(笑)中国が「尖閣は自国領土だ。」と主張し始めたのは、1960年代に尖閣諸島周辺で資源が見つかったタイミングでした。まぁこういうことは中国に限らずよくあることで、財産をたくさん持つ人が死にそうになると遺産目的で親戚が増える、というのと同じ論理です。当時は本当に資源を狙って尖閣諸島の帰属問題に参戦したんだと思いますが、近年では少し事情が違っています。今年、中国はロシアの空母を改修して、中国初の空母が就航しました。中国国内では割と盛り上がってたりします。今、空母が停泊しているのは大連という場所で黄海の港湾都市です。(結構日本人も多い!)空母は基本的には他国の沿岸に停泊させ、そこを基地としてミサイルを打ったり、戦闘機で攻めたりするためのもので、いわゆる戦略兵器に当たります。問題は空母を作ったのはいいものの、それを太平洋に出すルートが無いことなのです。つまり、敵対国周辺に空母をもっていけないと、空母の存在意義自体が無くなってしまうのです。さらにこの空母というのは非常に維持費がかかる。空母自体もそうですし、空母を中心とした編成を組む必要があるのですが、それら諸々の経費がバカにならない。アメリカはもちろんそのことを知っているので、何としてでも沖縄から出ていくことはありません。東アジアの地図を南北逆にすると分かりやすいのですが、大連から太平洋に出ようとするとどうしても沖縄の横を通らなければいけません。しかしその沖縄には世界最強のアメリカ海軍が待ち構えているのです。これが中国にとっては死ぬほど邪魔。なんとかしないと、今後、中国国民が、「空母作ったのはいいけど、黄海に停泊してるだけだったら意味なくね?っていうか空母の維持費って俺達の税金だよね?」って気がついてしまうわけです。その前に、中国政府としては何としてでも空母の存在意義を明確にする必要があったわけです。ちなみに2年前の漁船衝突の時も同じです。まぁ、あの時もアメリカ海軍を味方に着けて収束させましたが。
ちょっと、本題とずれるのですが、中国が南沙諸島という香港の南の海域のサンゴ礁の領有権の主張もしているのですが、これも同じ問題。空母が沖縄の横を通れないのであれば、香港の方から出そう、というわけで南沙諸島の領有権争いに参画しました。ここはフィリピン、ブルネイ、マレーシア、台湾などが主張しているのですが、アメリカはフィリピンを支援するという形と取っています。まぁ旧宗主国ですしね。

というわけで、中国は頑張って作った空母の存在意義を見つけるために頑張っている、というのが本音なのです。そして、先日、中国がとった驚きの行動が中韓で争っている黄海にある離於島(韓国名。中国名は蘇岩礁)を取り戻す!という発表だったわけです。黄海にある島(実際は島じゃないんだけど)であれば、アメリカ軍がいる沖縄を通らなくてもいいし、空母の存在意義を見つけられる、という事情なのでしょう。韓国にしたらまさにとばっちりです。アメリカとしてはできるだけ早く在韓米軍を撤退させて沖縄に集中させたかったのですが、今回の件がどう影響するかは見ておきたいポイントです。

そんな各国の力学が働いて、色んな問題が繋がっているわけです。結局、日本が中国に対して持つ最強のカードは沖縄に駐留している最強の海軍なのでしょう。だからそこ、昔、「最低でも県外」と言ってた鳩山さんを中国は色々応援してたんでしょう。

要するに尖閣はどっちの国の物だ、とか韓国は竹島から出て行け、とか叫んでても何も解決しないし、貴重な休日を潰して行列を作って行進するくらいだったら、その背景とかを考えている方が面白いと思うんですよね。そっちの方が社会が今後どう動くかも想定できるし。ちょっと長文になってしまったのですが、最近の領土問題をまとめて解説してみた。
ちょっと分かりにくいところがあるかも知れないけれど、その時はまたお話しましょう。






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